かがわ里海サロン第二夜 淀川テクニック・柴田英昭氏 講演会を開催しました


2024年7月19日、うみまち商店街の交流拠点「SICSサステナブルラウンジ」で、かがわ里海サロン第二夜を開催しました!

ゲストは日本を代表する漂着物ごみアーティスト、瀬戸内国際芸術祭の「宇野のチヌ」でも有名な、淀川テクニックの柴田英昭氏。
司会進行は前回に引き続き、かがわガイド協会事務局長の森田桂治。


世界中のごみや漂流物を集め、「ごみ」と呼ばれてしまっているものに命を吹き込む柴田さん。

居場所がなくさまよっていたモノたちが、カラフルで生き生きとした鳥や魚になるまでの裏話をしてくれました。

さらに、柴田さんが考案された「コラージュ川柳」についてもご紹介。
「コラージュ川柳」では、新聞の文字を切り抜いて、クスッと笑える川柳を作り上げます。


コラージュ川柳の一例「オバチャンが ヤマタノオロチの ダシを取る」

コラージュ川柳の一例「オバチャンが ヤマタノオロチの ダシを取る」

読み終わった新聞も、自然界に散乱する“ごみ”も、淀川テクニックによって元々の役目とは別の視点で捉えられ、新たな意味を持ったものに生まれ変わりました。


森田(左)と柴田さん(右)

第二夜でも、「NEO TAKO BALL STAND クセモノズ」の未利用魚などを使った料理を提供。


真鯛のヤンニョムと柑橘ソースのマリネ

真鯛のヤンニョムと柑橘ソースのマリネ

未利用の鱧ボールとたこボール

未利用の鱧ボールとたこボール

サロンの最後には、柴田さんとの写真撮影会やサイン会も実施。


淀川テクニックの書籍『コラージュ川柳』に直筆サインする柴田さん

淀川テクニックの書籍『コラージュ川柳』に直筆サインする柴田さん

「海ごみ」と「アート」について、様々な気付きを得ることができた第二夜でした。柴田さん、ご参加のみなさん、ありがとうございました!

次回も、里海に関する魅力的なお話をしてくれるゲストを招く予定です。


かがわ里海サロン第一夜 鹿児島大学・藤枝繁教授「ビーチコーミングを楽しもう」を開催しました


2024年5月24日、香川県高松市瀬戸内町のうみまち商店街で、第1回かがわ里海サロンを開催しました。
場所は、同年5月2日にオープンしたばかりの、JTB高松支店の交流拠点「SICSサステナブルラウンジ」。

ゲストは鹿児島大学の藤枝繁教授、進行はかがわガイド協会事務局長の森田桂治。
合計33名が参加、満員御礼でした。


鹿児島大学 藤枝繁先生 かがわ里海サロン

藤枝先生。オレンジ色の保管箱に入れられた、珍しい漂着物をたくさん見せてくださりました。

藤枝先生は、日本で海ごみ問題にいち早くから取り組んできた一般社団法人 JEANの代表理事でもあり、漂着物学会の事務局長も務めています。漂着物や海ごみについて長年研究されてきた、日本の海ごみ対策の中核的存在です。

「ビーチコーミングを楽しもう」と題して、漂着物や海ごみのことについてお話をいただきました。オウムガイやガラス製の浮きから、ユニークな入れ歯やおもちゃまで、多種多様な漂着物について熱く語る教授の話に参加者は夢中でした。


かがわ里海サロン

ビーチコーミングでは、いつどんな漂着物と出会うか分かりません。そして、出会ったものそれぞれが世界に一つだけ。自分で見つけた特別な思い出がある漂着物は宝物になると先生は言います。


森田 藤枝教授 かがわ里海サロン

森田(左)と藤枝先生(右)

お話の後は、藤枝教授と森田の対談と、参加者の質問タイム。

対談中は、未利用魚や規格外の野菜を活用したサステナブルなメニューを提供するたこ焼き店「NEO TAKO BALL STAND クセモノズ」の料理をいただきました。


エイの唐揚げ

エイの唐揚げ

オリーブサーモンのたこ焼き

オリーブサーモンのたこ焼き

ボラの中華あんかけ煮

ボラの中華あんかけ煮

大盛り上がりだった第1回の里海サロン。次回もスペシャルゲストをお招きする予定です。お楽しみに。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!


続・香川の海ごみホットスポットクリーンアップ作戦!2023年との合計で17トン回収【体験レポート2024】

香川 海ごみホットスポット クリーンアップ かがわガイド協会

はじめまして。かがわ海ごみリーダーの木村友香です。

2023年に引き続き、2024年2月に、かがわガイド協会のメンバーが中心となって、「海ごみホットスポットクリーンアップ作戦」を実行しました。その名の通り、海ごみが大量に溜まる場所(=海ごみホットスポット)での、集中的な回収です。

わずか6日間で、約6,640kgもの海ごみを回収しました!
一般的な海岸での海ごみ清掃では、1日あたり100kg集めることができれば非常に多いほうですが、この清掃では1日平均1,000kg以上!きわめて効率的な海ごみ回収です。
一体、どのような場所で、どのようにして行われたのでしょうか。

この記事では、海ごみホットスポットで、専門家が知識と経験・チームワークを活かしながら、楽しく爽やかにクリーンアップを行った現場をレポートします。

香川県最大の海ごみホットスポット!


海ごみホットスポット 三豊干拓海岸

場所は、香川県観音寺市の三豊干拓海岸。台風や冬の季節風に乗って大量の海ごみが漂着します。
消波ブロックと堤防に挟まれているため、一度入ったごみがなかなか海に戻らず、ここに溜まっています。図らずも、「海ごみキャッチャー」として機能してしまっているのです。

そのごみの量はとてつもなく、香川県の作成した「第3次香川県海岸漂着物対策等推進計画」で最重点区域に指定されています。足場が悪く危険なので、普段は立入禁止の場所です。


海ごみホットスポット 三豊干拓海岸

このように、海ごみが海岸線約2,000mをずらーっと埋め尽くしています。
何十年も溜まりっぱなしの海ごみが、厚さ1mほどの層になって積もっています。
こんな広大な海ごみの溜まり場、香川県には他にありません。

ちなみに、香川の海ごみが他の県と比べて多いのかというと、そういうわけでもありません。ここ数年、様々な団体や個人が海岸清掃を行っているので、ごみがとても少ない海岸が多いです。
しかし、離島のアクセスが悪い場所やこの三豊干拓海岸など、人が普段立ち入りにくい場所には、依然としてごみが大量に漂着したままとなっています。

こうしたホットスポットでは、ごみを探し歩く必要がないので、たくさんの海ごみを短時間で効率よく回収することができます。したがって、瀬戸内海のごみの削減のために、ホットスポットでの重点的回収は不可欠です。

2024年に行ったクリーンアップについて

回収および調査の方法

かがわガイド協会がこの場所で大規模な回収を初めて行ったのは、2023年の2月。下の写真はそのときの回収後の様子。中央に並んでいるのは、「トン袋」と呼ばれる大きなフレコンバッグです。この中に、回収した海ごみが詰め込まれています。


トン袋 海ごみホットスポット

2023年は、海岸線2,000mのうち600mの区間を清掃しました。香川県産業廃棄物協会さんの回収量を含めて、合計約10.4トンの海ごみを回収しました(そのうち、かがわガイド協会が手作業で回収したのは約8,500kg)。

2024年はその600mに加えて、新たな区間400mのごみも拾いました。環境省や瀬戸内オーシャンズXに関わる香川県、愛媛県、岡山県、広島県の職員、地元の環境活動者なども協力してくださり、延べ人数97名で実施しました。

また、それと同時進行で、拾ったごみの種類や量を調査・記録しました。ごみが流れ着く社会的背景を捉え、海ごみの発生抑制につなげるためです。

まず、ごみは、以下の8分類に分けてごみ袋に入れます。

  • 発泡スチロール
  • カキ養殖用パイプ(のちほど説明します)
  • その他プラスチック
  • ペットボトル
  • ビン・カン
  • 液体入りペットボトル・ガラス・金属
  • 危険物
  • その他(粗大ごみ)

そして、その種類ごとに、重さとごみ袋の数を記録します。


海ごみ 拾ったごみの種類や量を調査・記録

その後、自治体の分別方法に合わせて、ごみを5種類に分け、搬出用のトン袋に入れます。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ かがわガイド協会

大量の海ごみを回収する様子

2月半ばの朝、海ごみ拾いのプロが現場に降り立ちました。全6日間のうち、3日だけ私もお手伝いしました。

まず、こちらが新たに回収する400m区間の写真です。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ かがわガイド協会
香川 海ごみホットスポット クリーンアップ

大小さまざまなごみが山積みになっています。この下にはもともと岩があるのですが、埋もれて全く見えません。

個人的な感想としては、ごみの量が多すぎて、言葉が出ませんでした。それでも、心強い仲間が一緒だったので、「きれいにできる」という希望を抱きながらクリーンアップに取り組むことができました。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ

上から見て目立つのは、発泡スチロールやペットボトル。これらは軽く、水に浮きやすいため、海ごみの層の一番上に溜まります。
最初はその上を歩かざるを得ないので、それらが擦れたり割れたりして、「ギュギュッ、パリパリ」という不思議な足音がしました…(笑)


使い捨てプラスチック ペットボトル 海ごみ

日本ではペットボトルの9割以上は回収されています。しかし、年間の生産量は230億本にものぼるため、回収されなかった多くのペットボトルが自然界に流出してしまっていると考えられます。

ペットボトルや発泡スチロールをだいたい拾い終わると下から見えてくるのが、食品や洗剤の容器包装、バケツ、靴などの生活ごみです。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ
使い捨てプラスチック 海ごみ

拾うというより、ひたすらかき集めるといった感じです。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ

中には、過去の水害により海に流出したのか、絶対にポイ捨てされないような、かわいいぬいぐるみも。


海ごみ ぬいぐるみ ホットスポット

他にも、歯ブラシや農業肥料の袋などなど、あらゆるプラスチック製品のオンパレードでした。

しかしやはり、圧倒的に数が多かったのは、ペットボトル、食品トレー、飲料などのプラ容器、ストローといった「使い捨てプラスチック」でした。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ

海ごみを詰めた袋が、ものすごいスピードでたくさんできていきます。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ

初めて参加して分かったのですが、ホットスポットのごみ拾いは、時間と体力との戦いでした。
2024年の回収目標は5,000kg。限られた日程のなかで、できるだけ海をきれいにしたい…。

中腰になってごみを詰めたり、重い袋を持ち上げてバケツリレーで移動させたり。
体力的にはハードな作業でしたが、なぜかとても楽しかったです。
「海をきれいにしたい」という想いを持った人たちがこうして同じ目標のもと集まっているので、空気感がとても心地よかったのかもしれません。

皆さんと一緒に海をきれいにすることで、自分の中のエネルギーが満ち溢れるのを感じました。


香川 海ごみホットスポット クリーンアップ

瀬戸内海地域で発生した海ごみ

広島周辺海域で使われているカキ(牡蠣)養殖用パイプの数も、2023年と同様に大量でした。自分の足もとを見て視界に入る範囲で2~3本は必ず見つかるほど。


カキ養殖用パイプ 香川 海ごみホットスポット
カキ養殖用パイプ 香川 海ごみホットスポット

実は、このカキ養殖用パイプは、瀬戸内海からはるか遠い太平洋の中心まで流れ着いて、そこにすむ「コアホウドリ」という海鳥がたくさん食べてしまっている、危険なごみです。
このパイプをはじめとする固くて軽いプラスチックは、海鳥にとってエサと見分けがつきづらいものです。使い捨てライターやペットボトルキャップなども食べてしまうことが確認されています。
コアホウドリの親鳥がプラスチックを誤ってヒナに与えてしまうことで、ヒナの2割が栄養失調や脱水症状を起こし、命を落としてしまうそうです。

2024年はカキパイプ11,297本分を回収。
仮に、コアホウドリのヒナがカキパイプだけをおなかいっぱい(12本)食べてしまうとして、11,297本が何羽分なのか計算すると、11,297÷12≒941羽分。
つまり、この6日間で拾った海ごみのうち、カキパイプだけでも、941羽以上のコアホウドリのヒナの命を救える量だというわけです。すごい!!


使い捨てライター ゴルフボール 海ごみ

また、ライターや打ちっぱなしにされたゴルフボールなど、地名や店名が記入されていて、どこから流れてきたのかが分かるものも見つかります。

下の地図が、それらの発生源と考えられる場所をマッピングしたものです。
瀬戸内海周辺の陸から、川を通って海に流れてきたようです。


使い捨てライター ゴルフボール 海ごみ

分厚く積もった「マイクロプラスチック」との戦い!!

さて、クリーンアップ開始から数時間が経過。大きなごみは目立たなくなってきました。しかし、ここからが、心身両面において一番大変でした…
足もと全体を埋め尽くすラスボス。深さ数十cmにも及ぶマイクロプラスチックの層との勝負、スタートです。


マイクロプラスチック 海ごみホットスポットクリーンアップ 香川

マイクロプラスチックとは、直径5mm以下の小さなプラスチックのことを指します。
もともと大きかったプラスチック製品が日光や水に晒されてぼろぼろになってしまったものや、あらかじめ5mm以下に形成されたもの(プラスチック製品の原料「レジンペレット」や農業用肥料カプセルなど)があります。目に見えないほど小さいものもあり、そこまで小さくなると回収はほぼ不可能です。

そんなマイクロプラスチックが、この海岸線2,000m一面を、分厚くぎっしりと埋め尽くしていたのです。早く回収しないと、海へ再流出してしまいます。

下の写真の右下あたりが、マイクロプラスチックの層の断面。たまに大きなごみも混ざっています。底の岩も見えています。


マイクロプラスチック 海ごみホットスポットクリーンアップ かがわガイド協会

いや~、やっぱり大量のごみですね(笑)。

これらを両手ですくっては袋に入れるという作業をひたすら繰り返します。


マイクロプラスチック 海ごみホットスポットクリーンアップ 香川

マイクロプラスチックは細かくてかさばらないぶん、拾うときに重さが応えて、それまでの倍くらいの体力を消耗しました。

そして、地面を掘るような姿勢を保つのも、かなり腰にきました! しかもこれを数時間続けるのです。


マイクロプラスチック 海ごみホットスポットクリーンアップ 香川

あまりにも大量なので、たくさん拾ってる手応えはあるのに終わりが見えないという声も聞かれました。

心が折れそうになったり、無言モードになってただひたすら回収したりでしたが、仲間と励まし合いながら、なんとか時間いっぱい拾いきりました。

途中で差し入れをくださった地元の方や、わざわざ応援に駆けつけてくださった方にも、とても元気づけられました。

2023年にクリーンアップした場所のモニタリング調査

さて、2023年に回収した600mの区間でも、どれだけごみが新たに溜まったか調べながら拾いました。


海ごみホットスポットクリーンアップ 香川

2023年に一度きれいにした場所なので、先ほどまでお伝えした区間より圧倒的にごみが少ない!それでも、新たな海ごみが海水と一緒に消波ブロックを超えて入ってきていました(流木は自然に還るので、回収しません)。


海ごみホットスポットクリーンアップ 香川

【回収結果】 2024年は6.6トン!2023年と合わせると17トン!!

きりがないほどプラスチックがたくさんあるので、全部は拾うことができませんでしたが、それでもかなりきれいになりました。


海ごみホットスポットクリーンアップ 香川 かがわガイド協会

袋数:30リットルの袋が2,663袋
重量:6,640kg


2024年2月 ホットスポットクリーンアップ作戦 海ごみ回収量

2024年2月のホットスポットクリーンアップ作戦における海ごみ回収量

数十年間ごみが放置されていたことにより、プラごみのマイクロプラスチック化が進んでいました。表には記載されていませんが、拾ったときの手応えから、「その他プラスチック」の3分の1から半分ほどはマイクロプラスチックだったと推測しています。

全回収量6,640kgのうち5,640kgは、2024年に新たに挑んだ400mの区間で拾いました。想像以上にごみがずっしり積もっていて、マイクロプラスチックを取りきることができず悔しいです…

そして、残りの1,000kgは、2023年2月にもきれいにしていた600mの区間で拾いました。このことから、この区間には1年間にだいたい1,000kgの海ごみが入ってくると考えられます。つまり、10.4トンを同じ区間で回収した2023年は、およそ10年分の海ごみを10日間で拾い上げた、ということになります…!さすがホットスポットでの重点回収。驚くべきスピードで海をきれいにできますね!

ちなみに、2024年の回収量6,640kgに2023年の10.4トンを足すと、約17トンです!
香川県の調査によると、香川の海岸に漂着している海ごみは150トン。ということは、17トンというのはなかなかに効率的ですよね!

回収したごみは、株式会社大運組と株式会社パブリック、観音寺市にご協力いただき、クレーンで吊り上げられ、搬出、処理しました。


海ごみの回収

皆さん、お疲れ様でした!

海ごみのない美しい瀬戸内海を目指して

以上のように、短期間でとても効率的に海ごみを回収できる「ホットスポット」。

2023年と2024年で拾った合計1,000mの区間には、毎年約2,000kgの新たな海ごみが入ってくると推測されます。これを逆に言えば、これからは、その2,000kgを毎年回収すれば、そこはだいたいきれいな状態を保てるということです!それができると、その場所だけは、ごみの海への再流出がゼロになります。

ただ、取りきれなかったマイクロプラスチックはまだそこに残っています。マイクロプラスチックの大量回収は、労力も時間もかかって大変でした。でも、さらに細かくなって回収できなくなる前に取りきりたい!!そしてその後、ここに入ってきた新しいごみを大きいうちに拾うことで、非常に効率的な重点回収になります。

こうしたホットスポットでの効果的な回収が各地で行われると、瀬戸内海のごみは劇的に減ると思われます。


ホットスポット 瀬戸内海

(↑)ホットスポットのすぐ横は、穏やかな瀬戸内海。うっとりする素敵な景色でした。

もちろん、海ごみを拾うことだけでなく、普段の生活で海ごみが出ないような工夫をすることも、同じくらい大事。

マイボトルを持ち歩いたり、プラスチック包装の少ない商品を選んでみたり。一人一人の力が繋がって何倍も強くなり、このクリーンアップ作戦のように、ごみのない美しい瀬戸内海を現実に近づけることができると信じています。

2023年の様子は、隠岐在住・香川大好きライターの小坂真里栄さんがレポートしていますので、こちらもぜひご覧になってください。

記事:木村友香(香川県海岸漂着物対策活動推進員(かがわ海ごみリーダー))


人力で8,500kg近く回収!? “香川最強” 海ごみ拾いチームの挑戦を見た【体験レポート2023】

衝撃。圧倒的スケールの海ごみミルフィーユ!

はじめまして。ライターの小坂まりえです。
縁あって香川各地にちょくちょく出没していますが、本拠地は島根県の隠岐(おき)です。
国境に近い離島、隠岐諸島。日本海と瀬戸内海はかなり違う環境ですが、隠岐と讃岐、地名だけはちょっと似てますね? 
というわけで讃岐の皆さま、どうぞよろしくお願いします。

さて、今回私が取材させていただいたのは、とある海ごみ清掃の現場です。
「海ごみホットスポットで精鋭部隊がごみ拾いするんで、レポートしてください!」とのこと。

海ごみホットスポット…?

そう言われて、どんな光景を想像するでしょうか。
「漂着ごみが大量にある場所のことですよ~」と説明され、何となく納得していました。隠岐にも海ごみは沢山流れ着くので見慣れていますし、きっとごみだらけの海岸なんだろうな、くらいのイメージです。

ところが、案内されて現場に来てみたら。



なんじゃこりゃああああ!!
こんな光景初めて見ました。ごみの多さはもとより、ごみ海岸の長さよ。全長2km以上。

詳しく聞くと、今回の取材対象は「海ごみホットスポットクリーンアップ事業」。場所は、観音寺市の三豊干拓海岸。この海岸は西向きになっており、台風による高波や冬の季節風によって多くの海ごみが漂着します。県外からやって来るごみも当然あるでしょう。

海側には大量の消波ブロックが設置されており、そのブロックを越えて堤防側に入り込んだ海ごみがそのまま残り、溜まる。それを何十年と繰り返した結果、ブロックと堤防に挟まれたエリアに大量の海ごみが積もり積もっている・・・。

香川県はこの海岸を、第3次香川県海岸漂着物対策等推進計画で最重点区域に指定。要は、県のブラックリストに載っている、海ごみ的な激ヤバエリア。と同時に、「ここを何とかできたら対策の大きな推進力になる!」という最重要エリアです。それが海ごみホットスポット。

それにしても、とにかく圧倒的な海ごみの量です。小さなごみから大きなごみまで、危険なごみ(注射針とか)やアダルトなごみ(ビデオとか玩具とか)から可愛いごみ(ぬいぐるみとか)まで、多種多様の物質が、ぶ厚い層になっている。

通常は関係者以外立入禁止の場所になっているため、定期的なクリーンアップが行われていないということも、多くの海ごみが溜まりゆくまま放置されている原因の一つでもあります。


香川県三豊市 海ごみホットスポット

(※)事務局提供。数年前の同海岸の様子

ごみの量が途方もないのは一目瞭然ですが、このクリーンアップ事業の主催団体である一般社団法人かがわガイド協会の事務局長、森田桂治さんは、あくまでも爽やかに、こう仰る。

「10日間、昼間の干潮時間帯(約4~5時間)にみっちり拾って、ここを綺麗にします!」

何の修行ですか…と言いたくもなりますが、何なんでしょう、この森田さんの迷いなき笑顔。くもりなき眼。
どうやってここを綺麗にするのか。クリーンアップ部隊として出動するという、かがわガイド協会のメンバーとは一体どんな猛者たちなのか。


お手伝いを覚悟して、遠路はるばる隠岐から作業着と長靴を持ってきた私ですが、大丈夫だろうか…腰を痛めないだろうか…日焼けしないだろうか(さすが瀬戸内、山陰とは日照のレベルが違う!)…等々、わくわくビクビクどきどきしながら始まった体験取材。

この記事では、海ごみ拾いと地元愛に関しては香川のトップ集団と言ってもいいメンバーたちが、笑いながら、時に疲労で無になりながら(笑)海ごみと格闘する現場に立ち会い、目の当たりにしたことを、リアルにお伝えします。


香川県三豊市 海ごみホットスポット

(↑)さっそうと現場に降り立つ森田さん(左)

現場で知る、海と暮らしのリアルな繫がり

時は2月半ば。立春を過ぎたとはいえまだ寒い早春です。三豊干拓海岸のクリーンアップ現場は、砂浜と違って足元が悪く、時々ごみの沼(海だけど)にハマります。


今回の対象エリアは、南北にのびる海岸の南側約600m。
各人が拾ったごみを入れていくのは、30リットルのごみ袋。拾うだけでなく調査も兼ねているため、分類して計量しながらの回収です。分類ごとの重さと容積を把握するのが目的です。

回収時の分類は、以下の8つ。

①発泡スチロール
②カキ養殖パイプ
③その他プラスチック
④ペットボトル
⑤ビン、缶
⑥液体入りペット、ガラス、金属
⑦危険物(スプレー缶、ライター等)
⑧その他(粗大ごみ)

ごみを拾って袋に入れたら、お次は計測です。各ごみ袋をフックで引っ掛けて重量を計測し、リストに記入して、搬出用の大型袋に5分類で詰めていきます。


みんなが「トン袋」と呼ぶ、1トンのフレコンバッグ。本当に、大きい・・・。


トン袋の5分類は、下記の通りです。

(1)プラスチック(ごみ袋分類の①、②、③)
(2)不燃1(同④、⑤)
(3)不燃2(同⑥)
(4)危険物(同⑦)
(5)粗大ごみ(同⑧)


また、ごみの発生源や経路を把握する手がかりとするため、出処が分かるモノは記録します。
例えば住所や店名などがプリントされているライター、ゴルフボール、看板などです。


ごみの中で多いのは、発泡スチロールの破片とペットボトル。浮きやすいので波に運ばれてくるのです。この有様を見ていたら、そもそものペットボトル消費量を減らさんとラチがあかんわ~…と痛感します。やはり大事なのは日々の暮らし。生活ごみを減らすには、日常の意識から変えていかないと…。(マイボトル賛成!!)


広島周辺海域で使われている、カキ養殖用のパイプも多いです。
カキパイプはじめとしたロープなどの漁具、マルチや苗箱などの農具もあります。


注射器などの医療ごみは、見つけるとドキッとしちゃいます。
ドキッとすると言えば、アダルト系のアイテムも多々!詳細は割愛しますがバリエーションがいろいろと…。これらも紛れもなく人間の暮らしのリアル。道路側からの不法投棄もあると思われます。まさに割れ窓理論です。(=ごみが大量に放置されているせいで犯罪を起こしやすい環境となり軽犯罪が多発する)

それにしても凄まじい積み重なり具合で、ひどいところでは1m以上の堆積です。
ごみ拾い、というか、もはやごみ掘り…。


そんな状況ですが、今回のクリーンアップ部隊は動じません。というかもはや麻痺?(笑)
慣れた感じでテキパキテキパキと作業を続け、お喋りしながらなのにすごいスピードで手も動かします。

そう、皆さんよく喋るのです!これも、つらい作業を明るく続けていくコツなのでしょう。
「刺激臭キター!!」と突然叫ぶ人がいて、何かと思ったらオムツだったり。
「ギャー!目にマイクロプラスチックが入ったー!」と大騒ぎ、大笑いしてたり。
私が「どれを拾ったらいいか分かりません!」と言えば、「考えるな!感じろー!!」とくる。

本当に陽気でユニークな面々ですが、海ごみ拾いに関してはさすがプロ。
私が取材したのは2日間だけでしたが、集めた海ごみの量は…
初日(2/16):800kg
2日目(2/17):551kg
両日ともに作業時間は約4時間、人数は6〜7人で、この回収量です。聞けば、作業期間の10日間のうち人数が多い日では一日の回収量が1トン(!)を超えたこともあったのだとか。


この海岸の海ごみを見て、強烈に印象に残ったのはマイクロプラスチックです。放置されたプラスチックごみが、破片となりマイクロ化して再び海へ流れ出ていることがありありと分かりました。


この三豊干拓海岸からは伊吹島が目の前に見えます。伊吹島といえば、美味しいイリコだしが特産品として有名。ごみ拾い中、「プラスチック満載のイリコなんて嫌だよな~…」とつぶやく声が聞こえて、本当にそうだよな~としみじみ。
食と海の繫がりが目に見えやすい、こういう場所で海ごみ拾いを実践し、その様子をこうした記事等で発信していくことに大きな意義がある。ライターとして背筋が伸びる思いです。

また、クリーンアップ部隊に女性が多いのにも驚きました。溌剌としてパワフルな女性たちは、まさにムードメーカー。しんどい作業が続く中、彼女らの存在意義はとても大きいのです!


海ごみ拾いの猛者たちは、「里海ガイド」・「海ごみリーダー」!

“香川最強”の海ごみ拾いチームって、どんな人たち?って気になりますよね。
現場でご一緒した何人かにお話を聞いてみました。

まず、「えっ…速っ!!」と、そのごみ拾いスピードに度肝を抜かれた女性、田中真利子さん。愛称マリちゃん。その作業の速さは、つい見とれてしまってしばらく声をかけられなかったほど。他のメンバーからも、「彼女の手際の良さは別格」と一目置かれています。


マリちゃんは三豊市出身で、瀬戸内海に突き出た荘内半島が地元エリア。子どもの頃から浜辺で遊び、シーグラスを拾うのが大好きだったそう。でもいつからか、海ごみの増加が気になるようになったと言います。

「もともと海ごみ活動とは何の関わりもない普通の主婦だったんですけど、たまたまアーキペラゴ(※まちづくりや環境保全に関わるNPO法人)のビーチクリーンに参加して、新しい世界と出会いました。シーグラス以外の漂着物を“お宝”って言ってる人を初めて見たし(笑)、海ごみに関して知らない話をたくさん聞けてすごく楽しかったです。そのあと里海ガイド養成講座(※詳細は後述)を受けて、いろいろ学びました。海ごみって自分とは遠い話だと思っていたけど…私にも出来ることがあるんだ!って気付いたのが大きな変化。2020年からビーチクリーンの団体を立ち上げて活動を始めてます」(マリちゃん)

マリちゃんは現在、『Design The Earth』という団体で2ヶ月に1回、三豊市を拠点にビーチクリーンを開催しています。心がけているのは、学びつつ楽しめるイベントであること。子どもから大人までが笑顔になれること。

「海を綺麗にしたい、好きな場所を守りたい!という気持ちでやっています。ガイド協会には同じような想いをもった仲間がいて、いつでも相談できる人たちがいるから続けられる。森田さんはじめ、みんな楽しそうでしょ。だから私も関わりたくなるんよね。自分がやってるビーチクリーンでも、子どものためにゲームを取り入れたり、ごみ拾いの合間にトークを挟んだり、いろんな工夫をしてます。プラン作りには、里海ガイド養成講座で学んだことが役立ってます」(マリちゃん)


次にお話を伺ったのは、小笠原哲也さん。愛称てっちゃん。高松出身。本屋さんやギャラリー、ゲストハウスの運営をする傍ら、最近は海ごみ対策にまつわる活動が増えているそう。


「森田さんのことは昔から知っていたけど、海ごみにはあまり関心がなくて…。でも長男が生まれた頃から意識が変わってきました。アーキペラゴの海ごみボランティアをしたことがきっかけで、より深くコミットしたくなり、里海ガイドになりました。ボランティアって、時間がたっぷりあるシニア層が多いって思われがちだけど、現実はそうでもない。若い人がスキマ時間にやってることが多いし、そういう活動をしやすい社会がいいと思う。僕自身は今後、ガイド講座で身につけたことを生かして、キャンプ場などを拠点に海ごみ講座を開催していきたい」(てっちゃん)


そしてこちらは、谷光承(みつよし)さん。愛称ヨシさん。高松出身。


里海ガイドの1期生、つまり里海ガイド歴は最長で、かがわ海ごみリーダー(=香川県海岸漂着物対策活動推進員)でもあり、それぞれの養成講座を運営するサポート役もしています。


「拾うだけでは終わらないのが海ごみ問題。クリーンアップをやるなら、参加者に自分たちの生活から海ごみが出ているんだと認識してもらい、ごみの発生を抑制するところまで考えないといけません。そのために、ICC(=International Coastal Cleanup。国際海岸クリーンアップ)という世界共通の調査方法を取り入れたりして、拾ったごみを分類し何が多いのかを把握します。見える化することによって海ごみと暮らしとが繫がる。自分の暮らし方を変えないと海ごみは減らないんだと納得できれば、皆さんに当事者意識が生まれます。それがとっても大事なことなんです」(ヨシさん)


「クリーンアップなどのイベントを単発的にやるだけではなくて、仲間を増やすこと、リーダーを育てていくことに時間とお金を割くべきですね。海ごみ清掃って、土木業者がやれば一気に終わるだろうけど、長い目で見たらそれではダメだと思うんですよ。一般の市民がやって、SNS等で発信して注目されて広がっていく。そういう流れが理想です。そのためにも、巻き込み上手な海ごみリーダーをもっと増やしたい」(ヨシさん)

行政と仕事をすることの多い森田さんによると、香川県は、「環境保全への取り組みが全国自治体の中でもトップクラスに熱心!行政と市民の二人三脚がちゃんとできています」とのこと。県の環境管理課が主管で、県内全域の関係者をネットワーク化して「山・川・里・海を一体的に捉えて保全・活用していく里海づくり」を進めており、これに関わる人材育成や啓発に力を入れています。

その一環で、香川県と香川大学が協働して立ち上げたのが、「かがわ里海大学」。学長は池田豊人香川県知事です。
大学と言っても、校舎も入学試験もありません。かがわ里海大学では、まずは海と親しむ方法を知る『スタートアップ』から始まって、里海や海ごみを学ぶ『ステップアップ』、さらに里海ガイドや海ごみリーダーとして知識を深める『スキルアップ』という3つのレベルに分けて、さまざまな内容の講座を開講しています。その最高レベル『スキルアップ』の講座ラインナップの中に、里海ガイド養成講座(基礎・応用)や海ごみリーダー養成講座もあります。

里海ガイドとは、情報を提供するだけのガイドではなく、その里海に関わる地域や人の魅力もしっかりと伝えて、地域全体を元気にすることを目指す人のことです。
かがわガイド協会の会長である小前昭二さんの言葉を借りると、
「地域の人を巻き込んで、一緒にツアーを創り上げるのが里海ガイド。地元の人は、地域の歴史や良いところをたくさん知っていますが、外部から来た人にそれを伝えるノウハウが十分ではありません。だから、ツアーやアクティビティに参加されたお客様と地元の人との間に入って、全体をコーディネートしながら地域の魅力を引き出して共有するのが、僕たち里海ガイドの仕事です」


香川県三豊市 海ごみホットスポット

(↑)かがわガイド協会の会長、小前さん(左)

小前さんによると、里海ガイド養成講座では、ガイドの心構えから基礎スキル全般、リスク対応、フィールドの魅力を生かしたプログラムデザインなど、必要な知識とノウハウを実践を通して一から学べるそう。
この里海ガイド養成講座と、調査や分析などを含む海ごみ関連活動を主体的に行うための海ごみリーダー養成講座を両方修了すると、海ごみ対策のプロ人材として、県のお墨付きを得られるというわけです。

今回の大規模クリーンアップ参加メンバーの多くは、里海ガイドでもあり海ごみリーダーでもある面々。やはり、海ごみに関しては“香川最強”のチームだったのですね…!


香川県三豊市 海ごみホットスポット

(↑)かがわガイド協会の副会長、松野さん

海ごみを切り口に、ポジティブ・スパイラルを回す

今回の体験取材で分かったのは、海ごみ問題のシビアさ。と同時に、立ち向かう術はある、ということです。

里海ガイドや海ごみリーダーのような、専門的な知識や技術に加えて地元愛をもった人材を計画的に育成して着実に増やす。そしてその仲間どうしを繋ぐ仕組みが、かがわ里海大学を中心に構築されている。彼らはガイドやリーダーという肩書きですが、まちづくりに繋がるキーパーソンといった感じで、いろんなミッションに応じられる人たち。そして彼らが所属するかがわガイド協会という組織がうまく機能していて、横の連携が取れている。
ガイドやリーダーがそれぞれ地元でクリーンアップ等の自主的・自律的な活動を続けることで、子どもやその親御さん達への啓発が進む。時間をかけて、多くの人の意識を変えていく。暮らしの意識を変えることができたら、プラスチックごみは確実に減る。

これは極めてよく練られた、戦略的かつ持続的な取り組みです。このサイクルが回っていけば、香川の海を、健全な暮らしを、守っていける気がする…!と、希望を感じました。

一連のプロジェクトの仕掛け人のひとりである、森田さん曰く…
「里海大学の創設からガイド協会の立ち上げまで最初からずっと関わっていますが、この僕自身が、仲間で力を合わせることのすごさを実感しています。まさに、点が面になってパワーアップしていく感じです。県民の環境保全意識は間違いなく高まっていて、人材育成は軌道に乗ってきた。さらに活動を広めて定着させていく鍵は、各地のコミュニティどうしをうまく繋ぐことだと思っています。これからは積極的にその後押しをしていきたい。世代を超えて、楽しみながらいろんなノウハウを共有して、海が大好きな仲間を増やしていきたいな」


あくまで楽しむ、海と親しむことが大事。それでこそ、海を守りたい仲間が増えるんですね!

【後日談】

2月26日(日)、海ごみホットスポットクリーンアップ作戦の最終日。池田豊人香川県知事と佐伯明浩観音寺市長が視察に訪れ、海ごみ回収作業にも一部参加されたそうです。

この日は、一般社団法人香川県産業廃棄物協会(※かがわガイド協会と共にこの事業を共催)の協力でクレーン車が出動。海ごみが詰め込まれた約140袋ものトン袋、重さにすると約10.4トン(!)もの海ごみを、クレーン車で吊り上げて搬出しました。
そのうち、かがわガイド協会の皆さんが10日間の活動で回収した海ごみの累積は、約8,500kgとのこと。人力ですよ!?すごすぎる!


香川県三豊市 海ごみホットスポット

(※2月26日の写真は事務局提供)

前代未聞の大規模クリーンアップに挑んだ皆さん、本当にお疲れさまでした。
今回の取材で、これからも続く長い長い挑戦の、画期的なワンシーンを見せていただきありがとうございました。
香川県の先進的な海ごみアクション、引き続き注目させていただきます!

記事:小坂真里栄(隠岐在住・香川大好きライター)


瀬戸内海観光ガイドツアー

瀬戸内海観光ガイドツアー

瀬戸内海に面する香川県東かがわ市【山田海岸】と三豊市【つた島】での自然体験ツアーをご紹介します。
※ご予約・お問い合わせ開始:2022年4月

香川県東かがわ市【山田海岸編】

香川県東かがわ市の山田海岸は水質がきれいで海水浴に人気の海岸です。コンパクトな海岸に砂浜と磯場の魅力がぎゅっと詰まっています。海岸からの絹島や丸亀島の眺めも見どころ。

【山田海岸ツアー 1】
「貝貝貝!!のアクセサリー作り体験ツアー」
~禁じられた古代紫(貝紫)染めアクセサリー作り体験~


古代より貴重な染色技法として伝わる貝紫染め。①貝を使った貝紫染め、②磯で貝の観察&採集、③貝殻を拾ってアクセサリーづくりの貝貝貝の貝づくしの体験ツアー。希望者には、塩茹でした貝の試食付き。

実施期間通年
体験料4000円
対象年齢中学生以上
定員6人(最少催行人数3人)
所要時間3時間(9:00~12:00)
申込期限開催日 7日前
料金に含まれるものガイド費、保険代、材料代
服装帽子、運動靴、気候に応じた服装
持ち物タオル、日焼け止め、飲み物、マスク、雨具(雨天時)
注意事項少雨実施

●スケジュール
09:00 集合、オープニング(自己紹介)
09:10 古代紫(貝紫)染めの概要説明
・制作するアクセサリについて(参考見せる)
・貝紫染めの歴史について
・イボニシ(実物用意:パープル腺見せる)
09:20 染め糸体験(染め作業) 屋外
・染める、干す
・手を洗い、海岸へ行く準備
09:50 海岸に行く
・海の生物(磯の生き物、貝の採取)について
・ビーチコーミングで貝がらを拾います
10:40 貝紫染め体験(仕上げ)
・各自変色した糸を洗います
・水分を乾かします
11:00 貝紫糸で作るアクセサリづくり
・貝などをひもで編みます(貝に穴開けずに編める方法を採用)
11:40 アクセサリー見せ合い、貝の試食、振り返り
12:00 終了、解散

【山田海岸ツアー 2】
五感をフルに使って海の体験学習!!


瀬戸内海観光ガイドツアー
瀬戸内海観光ガイドツアー

磯の生き物にちなんだフィールドビンゴにチャレンジし、ゲーム感覚で海の多様性を学びます。砂浜では漂着物を使ったアート作りを楽しみます。瀬戸内海の生き物や自然の魅力を五感を通して体験できます。

実施期間4~10月(春と秋に開催)
体験料3600円
対象年齢学校関係(小学生、中・高学年)
定員20~30人(最少催行人数10人)
所要時間3時間
申込期限開催日 7日前
料金に含まれるものガイド費、保険代、材料費
服装帽子、運動靴(濡れて要靴)、動きやすい服(体操服)、気候に応じた服装
持ち物タオル、飲み物、マスク、ペン
注意事項

●スケジュール(9:00~12:00、または13:00~16:00)
09:00 オープニング、ガイド紹介、ツアーの流れ紹介
09:20 2つのアクティビティ体験
(1)磯の生き物観察(60分)
・磯の生き物を使ったフィールドビンゴ
(2)砂浜で五感体験&アート体験(60分)
・五感で感じてみよう、漂着物を利用してアート
(人数が多い場合は、2グループに分かれて、入れ替えで行います)
11:20 ビーチクリーン(簡単に)
11:40 ふりかえり
12:00 終了、解散

【山田海岸ツアー 3】
磯場の生物観察会
~海の小さな生き物を見てみよう~


瀬戸内海観光ガイドツアー
瀬戸内海観光ガイドツアー

山田海岸に生息する小さな生き物を探すツアー。プランクトンネットを手作りして、海水中のプランクトンを採集して観察。生き物がいないように見える場所も、コツを学んで観察すると驚くほど多くの生き物を発見できます。

実施期間4~10月
体験料小学生以下2500円、大人(保護者)3000円
対象年齢小学生以上
定員小学生と保護者 計30人(15組)
所要時間2.5時間~3時間
申込期限開催日 7日前
料金に含まれるものガイド費、保険代、材料費
服装濡れてもよい靴(持っていれば長靴)、長ズボン、Tシャツ、長袖シャツ(羽織れるもの)、帽子 ※水に濡れても良い恰好が望ましい。
持ち物ハサミ、スマートフォン、軍手(あれば)、日焼け止め、飲み物、ビニール袋、タオル、マスク
注意事項

●スケジュール
13:00 集合、オリエンテーション
13:10 プランクトンネットを作成
14:00 生物観察(磯、突堤)
14:40 手作りプランクトンネットでプランクトン採集
15:20 拡大鏡でプランクトン観察
15:40 ふりかえり、まとめ
16:00 解散

【山田海岸ツアー 4】
海の森「アマモ場」を海中さんぽ
~山田海岸で瀬戸内海の環境を学ぶ~


瀬戸内海観光ガイドツアー
瀬戸内海観光ガイドツアー

アマモ場は産卵場や稚魚のすみかとして瀬戸内海の生き物の多様性を支えています。アマモの役割や昔の活用方法を学んだ後、アマモ場に近づき箱メガネで海中を観察します。アマモなどの藻から作られた「藻塩」のおにぎり付き。

実施期間5~8月 干満差の大きい干潮時
体験料5000円
対象年齢中学生以上(磯観察からさらに深く海を知りたい方向け、高校生など海の環境に興味がある方)
定員6人(最少催行人数3人)
所要時間3時間
申込期限開催日 7日前
料金に含まれるものガイド費、保険代、ランチ代
服装帽子、ぬれてもよい服装(速乾性の物)、着替え、マリンシューズ(濡れても良いシューズ
持ち物タオル、日焼け止め、軍手(あれば)、飲み物、マスク
注意事項

●スケジュール
09:00 集合、オリエンテーション
09:10 山田海岸の砂浜・藻場・磯場の3要素を紹介
09:20 瀬戸内海の藻場の特徴の紹介
・藻の種類、アマモの分布、アマモの活用方法、昔の知恵など
09:30 アマモ場の体験
・注意事項などの説明
・アマモ場に移動して、箱メガネなどで海中を観察します
・藻場の中で生き物調査(網でつかまえます)
・海岸に戻り、着替えなど
11:30 ランチ(軽食)
・藻塩のおにぎりなどを海藻にちなんで海苔を巻いて食べます
11:50 ふりかえり
12:00 終了、解散

オプション(希望者には、より深く山田海岸の環境を知ってもらうプログラムを提供)
・磯の生き物観察 生物指標を用いた観察、箱メガネ
・海浜植物の紹介など

香川県三豊市【つた島編】

香川県三豊市のつた島は、渡船で5分と身近な冒険感あふれる無人島。きれいな砂浜に生き物が豊富な磯場、トレッキングコースなど海と山が一度に楽しめます。

【つた島ツアー 1】
釣り経験ゼロの方向け!
瀬戸内海で初めての釣り体験!


瀬戸内海観光ガイドツアー

初心者向けの釣り体験。釣れる魚はキス、ベラ、チヌ(クロダイ)など季節によって様々。釣った魚は天ぷらにして味わいます。道具はすべて貸し出し可能。その後購入希望の方には道具の選び方をガイドがアドバイスします。

実施期間4~10月(渡船営業期間)
体験料大人4500円、小学生以下4000円
対象年齢小学生以上
定員4人(最少催行人数4人)
所要時間3時間
申込期限開催日3日前までに要問合せ
料金に含まれるものガイド料、道具レンタル代、エサ代、仕掛け代、昼食用食材(天ぷら油等)
服装濡れても良い恰好
持ち物帽子、飲料水、タオル、日焼け止め、着替え
注意事項

●スケジュール
09:00 集合、オリエンテーション
09:10 渡船で蔦島へ
09:20 蔦島到着、釣り準備
09:30 釣り開始
・まずは道具の使い方や投げ方を学びます
12:00 釣れたら魚を天ぷらにして食べます
13:00 片付け
13:30 終了

【つた島ツアー 2】
浜辺から海の中を覗いてみよう!
~水中ドローン体験~


瀬戸内海観光ガイドツアー
瀬戸内海観光ガイドツアー

ラジコンのような感覚で操作できる水中ドローンで海中を観察。自然な姿で泳ぐ魚たちやアマモの藻場など海のリアルな姿を楽しめます。ドローンの操作が初めての方もガイドが親切に教えるのでご安心ください。

実施期間4~10月(渡船営業期間)
体験料30000円(一組貸し切り)
対象年齢小学生以上
定員6人(最少催行人数1人)
所要時間3時間
申込期限開催日3日前までに要問合せ
料金に含まれるものガイド料、水中ドローンレンタル代
服装濡れても良い恰好
持ち物飲料水、タオル、日焼け止め、着替え、サンダル
注意事項

●スケジュール
09:00 集合、オリエンテーション
09:10 水中ドローンの操作練習
09:30 自由操作で海中・海底探索
・場所とご希望により、ビーチコーミング、ビーチクリーンなども実施
11:30 ドローン体験終了・振り返り
12:00 終了・解散

【つた島ツアー 3】
海の水とたきびの火で塩をつくろう!


瀬戸内海観光ガイドツアー
瀬戸内海観光ガイドツアー

遠浅の浜辺と雨が少ない気候を活かした製塩業で栄えた瀬戸内海にちなみ、海水を煮詰めて塩づくりにチャレンジ。たき火の火起こしからスタート。煮詰め具合により変化する塩の味わいも楽しみましょう。

実施期間4~10月(渡船営業期間)※つた島以外での開催の場合は通年
体験料大人4500円、子ども(小学生以下)4000円、または一組貸し切りで17000円
対象年齢4歳以上
定員6人(最少催行人数4人)
所要時間3時間
申込期限開催日3日前までに要問合せ
料金に含まれるものガイド料、食材費、調理道具レンタル代
服装汚れてもよい服装(火花が飛ぶ可能性あるため、化繊だと穴があくので、綿などが望ましい)
持ち物サンダル、タオル、飲料水
注意事項

●スケジュール
09:00 集合、オリエンテーション
09:10 流木拾い
09:30 海水採取、ろ過
09:45 たき火の火起こし、塩作りスタート
・並行してプチアウトドア料理(ご相談に応じて炊飯、燻製ナッツ、焼き芋など)
11:00 結晶づくり、塩の味チェック、ティータイム
12:00 終了・解散

【つた島ツアー 4】
つた島クエスト
~学び、探検し、ミッションを達成せよ!~


瀬戸内海観光ガイドツアー
瀬戸内海観光ガイドツアー

地形や植生についてのミッションを、つた島を巡りながら解き明かす探検ツアー。ミッションをクリアしてゴールにたどりつけるのは誰か?ドキドキわくわくの冒険を楽しみながら自然にふれ、学ぶことができます。

実施期間4~10月(渡船営業期間)
体験料大人4000円、子ども3500円(一組貸切で30000円)
対象年齢小学生以上
定員15人(最少催行人数8人)
所要時間2.5時間
申込期限1週間前までに要問合せ
料金に含まれるもの記念品、保険料など
服装長そで、長ズボン、長い靴下(足首は素肌が出ないように)、運動靴
持ち物虫よけスプレー、虫刺され薬
注意事項

●スケジュール
09:40 渡船場集合、オリエンテーション
09:50 渡船で蔦島へ
10:00 蔦島の鳥居集合・挨拶・ツアー説明
10:20 ミッションスタート
※この間は、お客様で島内を探検していただきます
11:10 ミッション終了
12:00 終了・解散

※つた島でのツアーの共通事項
体験料には渡船料金は含まれていません。渡船料金は各自でお支払いください。大人400円、子ども200円

主催者について

一般社団法人 かがわガイド協会

予約方法

  • かがわガイド協会ウェブサイトのお問合せフォーム、またはメールでお申込みください
  • 予約の申込み期限はツアーにより異なります。詳しくはウェブサイトをご確認ください

注意事項

  • 自然の中での体験のため、悪天候時は中止します。その場合は前日の夕方までに連絡いたします。

キャンセルについて

  • お客様のご都合によるキャンセルは、キャンセル料を申し受けます。キャンセルはトラブル防止のため、お電話でご連絡ください(受付時間 平日8:30~17:30)
  • 予約日の前日50%、予約日の当日100%

※本企画はトヨタ財団2019年度研究助成プログラム(助成題目:「きれいな海から豊かな海への実現戦略 ―瀬戸内海の環境と資源のマネジメント」)の成果の一部として実施されます。